PUKKA INTERMISSION

雑誌 FIGARO japan 「地中海の島へ。」バックナンバーを読んだ。ギリシャ、スペイン、クロアチア、イタリアの美しい島々。モノに溢れていない、モノに占領されていない、人々の豊かな心。

セメント・ガーデン/アムステルダム

「セメント・ガーデン」はイアン・マキューアン、1978年の作品。


死体遺棄、近親相姦、トランスヴェスタイト…。当時、かなりセンセーショナルな内容だったであろう「セメント・ガーデン」は、匂い/臭いのある作品だ。思春期特有の妖しい性の匂い、腐敗した人間の臭い、ゴミ、汚物の据えた臭い、そして夏のジリジリした暑さから漂う地面の匂い etc…。読みながら、何度も嗅覚を刺激されてしまった。あまりいいものじゃないけど。


いつの世も、どの国でも、子供たちの「夏休み」というのは、大人が決して踏み込むことの出来ない"秘密"を作りだすのかもしれない。私は末っ子の男の子が、必死に「女の子になりたい」と言い、トランスヴェスタイトになるくだりには、何だか心臓がぎゅっとしてしまった。


実はこの作品、映画化もされている。シャルロット・ゲンズブール主演、それにしても邦題「ルナティック・ラブ〜禁断の姉弟〜」は、稀に見るセンスの無さ。配給会社の知性の無い売り出し方には、全く持って理解できない。



「アムステルダム」は1998年度のブッカー賞作品。(この年は「パトリック・マッケージ著「プルートで朝食を」も最終候補作品に残っている。ニール・ジョーダンが映画化した)


読み終わり、すんなり内容を受け入れたのだけど、訳者あとがきを読んで、「アムステルダム」というタイトルの意味することを知り、唸ってしまった。とてもヨーロッパ的視点であるなぁと思ったし、ふと「自分の死生観はどうなのだろう?」と、目を閉じてしまった。


読み終わった直後より、少し時間がたって、じわりじわり、この作品のエモーションが脳に伝達された感じ。それだけ大人な本であるのかもしれない。


登場人物のヴァーノンが新聞社の編集長ということで、イギリスに存在する各紙の名前が出て(ガーディアン、テレグラフなど)ニヤリとしてしまった。 また「セメント・ガーデン」同様、ここにもトランスヴェスタイトを内容に盛り込んでいる。もっともこちらでは、それが元に大きな事件となるのだけれど。


イアン・マキューアンにとって、トランスヴェスタイトとは何なのか?素人興味で彼に質問したいものだ。

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